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弁護士豊﨑寿昌の気まぐれ業務日誌

日々の業務、雑感、個人的興味を雑多に書いてます。

YouTuberと欅坂46

www.itmedia.co.jp

 

人気YouTuberにはきちんと所属事務所まであるんですね。初めて知りました。

いまどきの小中学生の将来なりたい職業ランキングにもけっこう入っているらしいのですが、問題は日進月歩のネット業界において、今の小中学生が大人になるときに今と同じYouTuberという職業が成立しているのかどうか。

 

で、上記記事は、

 

温度変化でインクが無色になる「フリクションボールペン」でノートに文字を書き、電子レンジにかけると文字が消える様子を実験してリポートしていた。

 

という動画に対し、

 

「動画を見た息子がまねして、鉛筆で書いたノートを電子レンジでチンしてしまった。ノートが黒焦げになり、家中が煙臭くなった」

 

ということのようです。

率直に言って、謝る理由がよくわからない。フリクションボールペンでなく、鉛筆で書いたノートを電子レンジに入れている時点で思いっきり間違えているのですから、動画を削除までしてしまうのは過剰反応のような気もします。炎上を未然に防ぐという意味だとは思いますが。

 

他方、

www.buzzfeed.com

 

の方の謝罪は、遅きに失し、かつ不十分という典型的な悪手のように思えます。

 

当該衣装を発案した方は、何も悪気はなく、ミリタリー系のファッションのつもりだったのかもしれませんが、デザインの出典がナチスそのものであるというところは認識していなかったとは弁解できないでしょう。

 

艦これやガルパンにみられるように、日本はたとえ軍事ネタでも萌えの対象にしてしまうという、よく言えば懐の広さをもった文化的感覚を持っているのかもしれませんが、だからといってその感覚をそのままこういう方面に向けてしまえば、歴史的認識を問われてしまうのは当然でしょう。

しかしながら、謝罪の仕方も中途半端と言わざるを得ません。

 

「私どもの認識不足により、衣装の色やその他を含む全体のデザインが、そのようなイメージを想起させる部分があり、ご不快な思いをさせてしまったことに対し、心よりお詫び申し上げます」

 

とだけありますが、こういう「ご不快な思いをさせてしまった」ことに対する謝罪で事が済むのかどうか。

 

目の老化が進行中………

午前中、数年ぶりに行きつけの眼科医へ検診に行きました。

 

ここ最近でだいぶ視力と調節力が落ちた自覚があり、万一白内障とかの前兆だったらヤバいと思いまして。48歳になると、そんな心配が出てきます。ハイ。

 

検査の結果は、多少視力は落ちており、また老眼が多少でているものの、その他は問題なしとのこと。ホッ。コンタクトの度数を落とすか、老眼鏡を進められたのには閉口しましたが。

 

老眼鏡のレンズをかけさせられると、確かに小さい文字が濃く、読みやすくなるのですねー。そういう年代になってしまったかと感慨深いものがあります。

「拘置所捜索」判決 検察官は違法で裁判官は違法ではないのは何故か

www.jiji.com

 

刑事事件の被告人(共犯者あり)が、公判途中に供述を翻した後、検察官が裁判官に被告人が勾留されている拘置所の居室等の捜索差押令状の発布を請求し、これを裁判官が認めて実際に捜索差押が行われた事件です。

 

これがなぜ問題になるかというと、言うまでもなく、刑事被告人には弁護人選任権が認められており(憲法37条3項)、この弁護人選任権に由来する防御権を担保するために、弁護人との秘密交通権が保障されている(刑事訴訟法39条1項)からです。被告人の公判中に被告人の勾留先の居室等を捜索すれば、そこには当然進行中の訴訟に関し、弁護人とやり取りしている書面等が存在している可能性が高いのですから、捜索自体が秘密交通権を侵害していると考えるべきかと思います。

 

こうした捜索差押は、上記のように、検察官が令状の発布を請求し、裁判官がこれを認めなければ実行されませんから、捜索差押自体が違法であれば、普通に考えれば、検察官と裁判官の双方の行為が違法とされるはずです。しかし、実際には地裁から最高裁まで、裁判所は一貫して検察官の行為を違法とする一方で、裁判官の令状発付行為には違法性を認めませんでした。

 

かなり不思議に思える結論ですが、地裁・高裁の判決を見る限り、このように結論が別れる理由は、(1)違法性を認める基準について、検察官の行為と裁判官の行為で別な基準を使用していること、(2)その上で、検察官の行為の前提となった判断資料と裁判官の行為の前提となった判断資料についてもレベルの違いを認定していることにあります。

 

このうち、先に(2)について説明すれば、検察官は、進行中の刑事裁判の状況について熟知し、かつ、全訴訟資料及び捜査資料を手持ちしているのですから、捜索差押により、具体的に被告人の秘密交通権及び防御権を侵害する危険について判断できたはうzであるのに、令状請求を受けた裁判官は、検察官が疎明資料として提出した内容以外については知り得ないため、検察官と同レベルでの判断はできないことを理由にしているようです。

具体的には、地裁の一審判決では、

「ただし,本件のように公判担当の検察官が把握している事実及び証拠と捜索差押許可状の請求を受けた裁判官とではその把握し,あるいは把握可能な情報に違いがあり,本件では,原告P1に接見禁止がいつから付されているかどうか等の情報,期日間整理手続が終了したかどうかの情報は裁判官に伝わっていたと認めることはできない(証人P5)から,上記捜査の必要性の程度についても必ずしも,検察官の認識と裁判官の認識が一致するものではない。)」

と述べています。

確かに、検察官の令状請求行為も、裁判官の令状発付行為も、専門的な職務の中の裁量権の行使に基づく行為ですから、その前提となった判断材料の違いは結論の違いに結びつく可能性はあります。

 

他方、(1)については、地裁及び高裁とも、裁判官の令状発付行為が違法となるのは、「裁判官が,与えられた裁量を著しく逸脱し,法が裁判官の職務の遂行上遵守すべきことを要求している基準に著しく違反する裁判をした場合,つまり,通常の裁判官が当時の資料,状況の下で合理的に判断すれば,到底捜索差押許可状を発付しなかったであろうと思われるのに,これを発付したような場合」に限定しています。これは、裁判官の訴訟上の判断に瑕疵があった場合、国家賠償法上の違法性が認定される場合の判例に沿ったものです。

これに対し、検察官の令状請求行為にはこのようなたぐいの基準は立てておらず、普通に違法性や過失を判断しています。

 

こうした(1)(2)の二つの違いから結論に違いが出てくるのです。

 

最高裁の今回の判断はまだ全文が掲載されておりませんので、その判断根拠は不明ですが、おそらく上記の地裁・高裁の判断を踏襲したのではないかと推測されます。

 

さて、このような裁判所の判断ですが、私自身は、本件で(1)の基準を用いること自体にもかなり違和感を感じますし、さらに(1)の判断基準を用いたとしても、(2)にかかる判断についても疑問です。

 

今回の捜索差押は、単に違法な検察官の行為によって、その事件の被告人が不利益を被ったという点に留まらず、被告人の防御権の保障という、刑事司法における大原則が侵され、憲法で保障された刑事被告人の権利が揺るがされたという大事件であり、簡単に起こってはらないものです。

 

令状の請求を受けた裁判官としても、公判中の被告人について、その勾留先の居室を捜索するなどと言う令状請求が来たら、真っ先に上記のような問題点が頭に浮かばなくてはなりません(そうでなければ司法試験を受け直した方がいいレベルです)。そのようなイレギュラーな令状請求を認めるのは、相当極限的な場合でなければならないでしょう。従って、たとえ検察官と判断材料が異なったとしても、本件で裁判官が令状の発布を躊躇するのが当然であり、少なくとも検察官に対し、躊躇なく令状を発付できるくらいの疎明を求めるのが「通常の裁判官が当時の資料,状況の下で合理的に判断」した結果取る行動ではなかったか、と考えます。

 

なお、連日報道記事にいちゃもんをつけているようで恐縮ですが、本件は、地裁段階で検察官の行為については違法と断定されており、被告側の国は控訴もしていませんから、高裁以降の争点は、裁判官の令状発付行為の違法性のみです。

従って、記事の「『拘置所捜索は違法』確定」というのは、地裁段階で既に確定していたのであり、明らかにミスリーディングな見出しではないでしょうか。

 

「『夫は外、妻は家庭守るべき』減少」報道は本当か

www.huffingtonpost.jp

 

転載前の元ネタはこちら。

www.asahi.com

 

という報道なんですが、同時掲載されたグラフを見る限り、「いや、2009年度にガクッと減った『反対』(=夫は外、妻は家庭という考え方への反対)が、ようやくその水準まで回復したに過ぎないんじゃね?」と見えてしまいました。

 

念のために元資料を確認すると、今回の調査結果はまだ内閣府HPには掲載されていないようですが、過去資料は以下のようです。

 

平成26年(2014年)8月 

女性の活躍推進に関する世論調査 -内閣府

 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方について,どのように考えるか聞いたところ,「賛成」とする者の割合が44.6%(「賛成」12.5%+「どちらかといえば賛成」32.1%),「反対」とする者の割合が49.4%(「どちらかといえば反対」33.3%+「反対」16.1%)となっている。
 前回の調査結果(平成24年10月調査結果をいう)と比較して見ると,「賛成」(51.6%→44.6%)とする者の割合が低下し,「反対」(45.1%→49.4%)とする者の割合が上昇している。

 

平成24年(2012年)10月

男女共同参画社会に関する世論調査 -内閣府

 家庭生活について,夫は外で働き,妻は家庭を守るべきであるか聞いたところ,「賛成」とする者の割合が51.6%(「賛成」12.9%+「どちらかといえば賛成」38.7%),「反対」とする者の割合が45.1%(「どちらかといえば反対」27.9%+「反対」17.2%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると,「賛成」(41.3%→51.6%)とする者の割合が上昇し,「反対」(55.1%→45.1%)とする者の割合が低下している。

 

平成21年(2009年)10月

男女共同参画社会に関する世論調査

夫は外で働き,妻は家庭を守るべきであるか聞いたところ,「賛成」とする者の割合が41.3%(「賛成」10.6%+「どちらかといえば賛成」30.7%),「反対」とする者の割合が55.1%(「どちらかといえば反対」31.3%+「反対」23.8%)となっている。
 前回の調査結果と比較してみると,「賛成」(44.8%→41.3%)とする者の割合が低下し,「反対」(52.1%→55.1%)とする者の割合が上昇している。

 

つまり、「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」かどうかに関する反対は、2009年がこれまでで最も高く(55.1%)、2012年には10%も急落して(45.1%)、いわば10年ほども前の水準まで後退しています。その後2014年に多少回復し(49.4%)、今回ようやく2009年に近い水準まで回復(54.3%)したのですが、未だ2009年の水準を超えてはいません。この辺、冒頭の記事は何も触れていません。

 

もちろん、私個人は「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」論に与するつもりはありませんが、問題は、上記のような短期的な変動が起こった理由です。

 

2009年から2012年の間に起こったことと言えば、当然ながら民主党政権の成立であり、2012年8月はその末期にあたります。

この問題について、自公政権よりリベラルと思われた民主党政権下で、保守化とも思える世論の動向があったのはなぜなのか。4年前のことで、この世論調査に関する報道がどうであったか、あまりよく覚えておらず、ググってもすぐに出てきません。

 

個人的な推測としては、民主党政権下において、こども手当等、子育てに関する諸施策が試みられたことが、予想と違った方向に世論を誘導したのかなとも思います。民主党の当時の政策は、どちらかというと子育てを女性に押しつけるものではなく、子育ての社会化に向けた意図があったはずなのですが、実際の世論には意図と違う反応を呼んだのではないでしょうか。それとも民主党政権の混迷によって、2012年の秋には世論が急激に保守化していたという解釈もできますが、体感的に男女共同参画分野でそこまでの揺り戻しがあったようには思えません。

 

他方、自公政権に戻ってから、「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」論に対する反対が再び回復しているのは、おそらく現政権による「女性活用」的な政策の方向性を世論が先読みしているからのようにも読めます。

 

ここから判明することは、「夫は外、妻は家庭守るべき」減少というのは、長期的な趨勢としては明らかでも、短期的には時の政権の政策をはじめとする世の中の雰囲気に明らかに影響されているということです。

ここまで見てくると、上記報道は、どうも過去に遡ってきちんと数字を精査したのではなく、内閣府が発表した内容をそのまま垂れ流したような嫌いが否めません。掲載したグラフをちょっとでも見れば、私が抱いたような疑問はすぐに出てくるのですから、同じ報道でももう少し頭を使ってほしいと思います。

 

 

 

 

 

はじめまして。というか8年越しの復活。

皆様、はじめまして。

 

といいますか、以前、弁護士 豊崎寿昌のHP上で掲載していたブログの復活続行版です。

 

なんと、2008年から8年間も放置プレイでした。そのころからいろいろ多忙につき、ブログを書く時間とエネルギーが維持できなくなり、一時休止のつもりがいつのまにやらもう8年。いつのまにか私自身も中堅からベテランの域にさしかかる年代の弁護士となりました。

 

途中、twitterなどにも手を出してはいましたが、140字では書けないことも多く、HPのリニューアルをお願いするのを機に、ブログを別個独立して作成していくことにしました。よろしくお願いします。